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【COVER BOY・山下智久】「永瀬は理想の生き方を体現」映画『正直不動産』ロングインタビュー
山下智久さんが、嘘がつけない不動産営業マンという新たな役柄に挑戦した『正直不動産』が映画化。LAロケやビュービュー吹く強風など、スケールアップした作品に仕上がっています。山下さんにとって特別な思いがあるという作品についてたっぷり語ってくれました。
COVER BOY・山下智久さんにインタビュー

不動産業界で働く人々をコメディードラマとして描き、シーズン2まで制作される人気作となった『正直不動産』が待望の映画化。地鎮祭の準備中に祠を壊した祟りにより、嘘がつけなくなった主人公·永瀬財地をドラマから引き続き、山下智久さんが演じている。
〝本音だけベラベラしゃべる永瀬は理想の生き方を体現しているかも〟
「脚本を読んで思ったのは、映画らしいスケールアップした作品になりそうだなと。そして人間ドラマとしての側面がより強くなった印象を受けました。登場人物の過去を深掘りするエピソードもあり、作品に深みが出たのではないかと思いました。とはいえ、幅広い層の方に楽しんでいただけるわかりやすさもあり、いい作品になる予感がしました」
ー強風が吹くと嘘がつけなくなり、本音しか言えなくなる永瀬財地。シーズン1ではクセ強キャラに感じられたが、映画では「嘘がつけない人間ですから」というセリフも板に付き、楽しく自然に演じているように見えます。
「そう言ってもらえるとうれしいです。永瀬は、僕にとってなかなかチャレンジングな役柄だったので。最初は嘘をつきたいのに、言いたくないことをしゃべってる感を出すのが難しくて。どんなテンションでいけばいいんだろうって探り探りやってました。僕自身もね、なるべく正直に生きているつもりだけど、それでも本音と建て前の中で生きてきたと思うんです。だから永瀬は理想の生き方を体現しているというか(笑)。ベラベラベラベラ本音だけしゃべれるなんて気持ちいいだろうなって思うんですよ。もしかしたら見てくださる方も馬鹿正直に何でも言っちゃうキャラクターに自分自身を投影してくれているのかもしれないし、僕は役を通してストレス発散していたのかもしれない。だって『クソ上司が!』って言いたい人、たくさんいますよね(笑)」
ー永瀬が仲介した物件をめぐる家賃滞納や近隣トラブル、永瀬の元同僚で不動産ブローカーの桐山が関わる6万坪の土地を舞台とした大規模開発計画など、映画にも知っていて損はない不動産知識がたくさん登場する。山下さんのセリフにも多くの専門用語や法律用語が使われているが、覚えるのは「難しいし、本当につらい!」と苦笑い。
「覚えるコツですか?ない(笑)。お経みたいに唱えるだけ。繰り返し読んで読みまくります。本番でセリフを言うときは早口で言わないとだから、普通に覚えるんじゃダメなんですよね。感覚としては2層くらい深く覚えて言う、みたいな。そこが苦労した点ではありますけど、この作品のスパイスにもなっていると思うので、一生懸命がんばりました」
ー映画ならではの海外ロケも敢行。英語のセリフには山下さんのアイデアが生かされた。
「LAの砂漠で撮影したけど、テキサスの設定なんです。当時、僕の英語の先生がテキサスの出身の方で。現場に来てくれたので、彼に聞いて英語のセリフをテキサスの人が使うような言葉にしました。だからリアルテキサスのバイブスが入ってます(笑)。英語の勉強を始めて長くたつし、対応力も上がったんだと思います。英語の違いも理解できるようになっていたのもよかった。これもいい偶然が重なって面白いシーンになったと思います」
ー永瀬を取り巻く人々もドラマから引き続き登場する。シーズン1では新入社員だった福原遥さん演じる月下咲良は、今作では頼もしいバディといえる存在にまで成長している。
「月下さんと遥ちゃん自身がリンクしているのかなと思いました。ここ数年ですごく大人になったから。シーズン1では彼女自身に初々しさがあったけど、月下と同じようにひとりでやっていけるぐらいどんどん成長した感じがします。彼女自身はやわらかい人だから、現場にいてくれるとみんながなごむんだよ。僕もお経でいっぱいいっぱいになっていても、遥ちゃんがいてくれると癒されます(笑)」
ードラマではライバル関係だった市原隼人さん演じる桐山との友情も今作の見どころのひとつ。2人の関係について永瀬は、何度も「ダチ」という言葉を口にしている。
「2人の関係性もいいですよね。大人になってできる友達って少ないと思うんです。永瀬と桐山は、まったく違う視点を持つ2人だけど、今作では重なる感じがするっていうんですかね。2人とも違うところを見ているんだけど、どこかでこう一致したり、つながる部分がある。わかりやすいエンタメ作品でありながらも、そういう繊細な心の揺れも描かれたストーリーになっていると思います。桐山も隼人くんも、まっすぐなところがすごくあるんです。その嘘のない感じが役を通して、強く出ているんじゃないかなって思います」
ー永瀬が正直になるきっかけを作ったとも言える和菓子職人·石田役の山﨑努さんも出演。監督からの細かい演出はなく、現場で生まれたという2人のやりとりにも注目。
「今回も出演することを決めてくださって、すごくありがたいです。僕にとって山﨑さんは師匠に近い存在だから。俳優というものをすごく感じさせてくださった方だと思っています。役との向き合い方も含めて、背中を見て学ばせてもらったことを感謝しています。山﨑努さんがいなかったら、そんなに俳優に興味を持っていなかったかもしれない。『クロサギ』で出会って20年ぐらい。今も同じ作品で出演できるなんてすごく感動しました」
ー今作の山下さんは音楽面でも活躍。挿入曲「声(feat.JUNGWON of ENHYPEN)」の作詞を手がけ、ENHYPENのJUNGWONとコラボレーションしている。また岩﨑大昇さんが演じるミュージシャン・山口ヒロトが歌唱する劇中歌「優しい世界」の作詞も担当。そして今回は歌唱シーンも。
「『声』は友情の歌でもあって、答えが明確じゃなくても、進む先が見えなくても、不安や揺らぎを否定せず、受け止めてくれるような曲にしたいと思いました。『優しい世界』は監督からリクエストがあって、高校生が歌うような、まっすぐなラブソングにしてほしいと。大昇の歌もすごくいい。音楽が大好きな高校生のバンドマンが作った曲って感じがうまく表現されていた気がします。ギターで歌った場面については・・・記憶にない。完成した作品を見てビックリしました。撮影中、何かが乗りうつっていたのかも(笑)」
Information
映画『正直不動産』

登坂不動産の営業マン・永瀬財地は壊した祠の呪いで嘘がつけなくなってしまう。後輩・月下咲良や仲間たちの助けを借りて、正直な営業スタイルを模索する永瀬は、課長昇進をかけて同僚たちと競っていた。そんなある日、元同僚の桐山貴久が6万坪の土地で、謎の大規模開発計画を進めていることを知る。
Profile・やました ともひさ
1985年4月9日生まれ、千葉県出身。1996年より芸能活動をスタート。俳優やアーティストとして活躍。近年は、『THE HEAD』『神の雫/Drops of God』など海外の作品にも出演している。
撮影/倉本侑磨(Pygmy Company) スタイリング/櫻井賢之 ヘアメイク/北一騎(Permanent) 取材·文/佐久間裕子 撮影協力/EASE ※andGIRL2026年春号より
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