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業界実話怪談。背筋も凍る、本当にあった怖〜い話【金属を引きずる音編】のメイン画像

高校時代からの仲良しグループの1人、M君

高校時代、どういうわけか私の周りには霊感の強い友達が比較的多かった。これは、そのうちのひとりM君の話。

高校を卒業し仲のいいグループの友達は、それぞれ大学に進学した。地元に残る人もいれば、大学の近くに住むために地方に散らばっていく人もいたが、地方に散らばると言っても同じ関東圏内だったため毎月地元に戻り、集まって飲み会をしていた。そんなある日もまた、地元に帰り、飲み会をしていたときにM君にこんな話を聞いた・・・。

深夜、アパートに面した道路で車がぶつかるような音がした

大学進学のために北関東のとある県で1人暮らしを始めた霊感の強いM君。ほどよく酔いも周り、盛り上がりのピークも過ぎ、しみじみと飲み始めたころにM君がポツリ「引っ越そうか悩んでいる」と切り出した。とういうのも、1人暮らしを始めたアパートが、どうやら〝出る〟らしい。

そのアパートは道路沿いにあり、M君の部屋は1階の入口側の角部屋だという。それは引っ越して半年ほど過ぎたころ。深夜にゲームをしていると、外でガシャン!という車のぶつかるような大きな音がしたという。そもそも、それほど車通りの多くない道路で、しかもたまに車が通ったとしてもヘッドライトが光ったり走行音がしたりするはずが、車の通った気配もなく、突然ガシャン!という音だけがした・・・。

事故かもしれないと思ったM君は、窓を開けて道路を見渡したが、何もない。おかしいな?と思い、窓を閉め、再びゲームに没頭した。

ガラガラ・・・ガラガラ・・・。金属を引きずる音が近づいてくる

それからしばらくしたある日のこと。やはり深夜にゲームをしていたら、遠くからガラガラ・・・ガラガラ・・・と何かを引きずっているような音がした。その音は徐々に大きくなっていった、というか、こちらに近づいていた。音が近づくにつれ分かったのは、それが金属のようなものを引きずっているということ。想像するに、金属バットとか金属の鎖、あるいは金属の棒のようなものだという。

ガラガラ・・・ガラガラ・・・。

金属を引きずる音はどんどん近づいてくる。こうなると角部屋は怖いものである。ついにその気配は壁1枚隔てて、すぐそこまできて止まった。M君の部屋は、道路に面した方には入り口がなく、道路から少し入り回り込んだところにドアがあった。「まさか・・・」と思った瞬間である。

ガラガラ・・・ガラガラ・・・。

止まったと思った音が再びはじまり、回り込んできた。そして、ドアの前でピタリと止まった。

金属音はその後も不定期に続いた

息を殺し、ゲームのコントローラーを持ったままドアの方向を見る。恐ろしくて身動き1つできないM君。何者かが金属バットを持ったまま、ドアの外に立っているのかもしれないと思うと、恐怖で体が震え始めた。どのぐらい時間が経ったのだろう、それさえも分からないまま、その緊張状態は続いた。しかし、その後その音がすることはなかったという・・・。その日はテレビの音量をあげ、電気をつけたまま寝たそうだ。そしてそのガラガラ・・・ガラガラ・・・という音は、その日だけでなく、その後も日をおいて、不定期に続いていたそうだ。

その後半年経っても続くため、怖くなったM君は、結局そのアパートを引っ越した。新しく引っ越したアパートではそんな霊体験は1度もなく、無事に大学を卒業した。もともと〝出る〟部屋なのか、それとも霊感の強いM君が引き寄せてしまったのかはわからないが、その恐怖体験はなんだったのか、いまだにわからないままだそうだ・・・。

文/成田リナ

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