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彼より仕事優先!仕事を辞めてまで結婚する気になれない、アラサー女子のお悩み相談のメイン画像

今回のお悩み

結婚が想像できません

彼と付き合い始めてから2年が経ちます。街コンで出会い、数回デートした後、彼から猛アタックされて付き合い始めました。外食や旅行はもちろん、誕生日や記念日などのイベントも、積極的に彼が計画してくれたり支払ってくれて、大事にされているなと思います。

1年前から、大阪と東京の遠距離になりました。「いつかは一緒に住みたい」「結婚を視野に入れたい」と言われました。ですが私自身、彼と結婚したいのかがわかりません。「いつまでも遠距離を続けるのは・・・」と言われましたが、私としては、今はまだ仕事をしたいと思っているので、辞めてまで追いかけようという気持ちがありません。また、遠距離だと寂しさからかお互い交通費や宿泊代がかさみ、なかなか貯金が貯まらず、結婚への現実味もありません。このまま彼と付き合っていっていいのでしょうか。

01遠距離で悩むのはだいたい女性

遠距離にまつわる相談は、本連載でも何回か取り上げていますが、あらためて本当に遠距離は恋愛と結婚とキャリアにとってはやっかいな問題です。控え目な表現をつかえば、うんこだと思います。そもそも遠距離になる原因は、古すぎる昭和の雇用制度です。もう令和ですよ。平成が終わって令和になっているのに、昭和なんて古生代の慣習がまかりとおっていること自体が、本当にだめです。さらにダブルでだめなのが、遠距離の場合「女性が仕事を辞めてついていく」ことが大前提になっていること。このため、仕事が大好きな女性は遠距離になると、結婚でとても悩むことになります。
ポワールさんの場合、遠距離の他に「そこまでするほどの気持ちじゃない」といった相手への気持ちについても、悩みがありそうです。というわけで、今回は「遠距離における結婚の選択肢」と「結婚するつもりがない問題」について解体していきましょう。

02遠距離における結婚の選択肢

まずは、「遠距離における結婚の選択肢」です。

  • 1.女性が仕事を辞めるか異動するかして、結婚して一緒に暮らす
  • 2.男性が仕事を辞めるか異動するかして、結婚して一緒に暮らす
  • 3.どちらも仕事を辞めず、結婚して一緒に暮らさず別居する
  • 4.結婚しない

Check!転勤制度は働く女性の少なかった昭和に作られたもの

日本の転勤制度は昭和時代に作られ、もともと女性が仕事をしないか、あるいは結婚したら辞める前提だったため、多くの人が1を選びました。
しかし、現在は女性の雇用率が当時より上がっており、結婚しても辞めない女性が増えています。なので、本来は1と2が同程度のレベルで考えられてしかるべき。で!す!が!令和になってもまだまだ1を選ぶ人が多いです。さらにいえば、ごくごくナチュラルに「辞めるよね?」と考えている男性の多いこと!あまりにも当たり前のように言うものだから、「いやあんたが辞める選択肢もあるやろ」とツッコミ忘れる女性が後を絶ちません。
3はやや特殊ですが、どちらも仕事が大好きカップルはこの選択肢を選びます。私の友人にも、自他ともに認めるワーカホリック夫婦がいて、どちらも海外を飛び回る仕事のため、別居して互いの家に遊びに行くというスタイルをとっています。ただこの場合は両方が「一緒に暮らさなくてもいいかもー」という温度感を共有していないと難しいので、ポワールさんの彼のように「いずれ結婚」といったことを言ってくる人には向いていなさそうです。
そして最後の「4.結婚しない」という選択肢。ポワールさんがおそらく考えている選択肢です。

Check!まずは2を選択肢に入れるための話し合いが必要

さて、3は除外するとして、1と2と4のうち、ポワールさんは1と4で迷っている状態です。なのでまずおすすめしたいのが、2を彼と話し合うことです。実際、私の周囲で、彼女の仕事が東京でしかできないため、彼が仕事を辞めて独立して東京で暮らしたという例があります。現状ですとそもそも2が選択肢に入っていないように思えたので、まずこちらを話し合ってみてください。
彼がもし異動できたり、転職したりできるのであれば、問題ありません。もし彼が「仕事を辞めたくない」というのなら、ポワールさんの「仕事を辞めたくない」という気持ちも同じように尊重されるべきです。なので、「どちらも仕事が好きで、どちらかが譲らなければならない」といった前提で、話し合いをしてほしいです。
くれぐれも「男だから辞めないのが普通、女だから辞めるのが普通」といった古生代の俗説に負けてはいけません。先ほどもお伝えしたとおり、この俗説は昭和時代の前提の話です。令和になった今、どちらも仕事をしていてどちらも仕事が好きであれば、対等な目線で考えるべきです。

03結婚するつもりがない問題

さて、選択肢はこれまで見てきたとおりですが、一方でポワールさんの気持ちについても考えた方がいいように思います。相談内容を見る限り、彼がポワールさんに猛アタックしていろいろ尽くしていることから、気持ちとしては「彼>>>ポワールさん」と見えます。さらに、ポワールさんは仕事が好きで彼との結婚に悩んでいることから、「仕事>彼」といった優先順位なのかもしれません。
この優先順位は実はクリティカルです。なぜなら「絶対に彼が好き!絶対に彼と結婚したい!」という人は、「どうにかして結婚したいから、どうにかしてほしいんです!!!」といった前のめりの霊圧があります。しかしポワールさんは「彼と結婚したいのかがわかりません」「辞めてまで追いかけようという気持ちがありません」「このまま彼と付き合っていっていいのでしょうか」と、結婚と付き合う気持ち自体で迷っている様子。
この気持ちを、ポワールさんはじっくり掘り下げてみた方がいいかもしれません。現状、ポワールさんは「自分は仕事が好き」「結婚したいのかわからない」と自覚できています。かつ、「結婚しないと」といった焦りの霊圧もあまりなく、冷静に考えられているようです。素晴らしいことです。焦りがあったり、彼に押されてしまうとうっかり結婚して「やっぱり本当は仕事がしたかったのに!」と負の感情に飲まれることは多々あります。ポワールさんは少なくともその心配がないようなので、安心です。

04そろそろ重い腰をあげて

さて、とはいえ、決断をいつまでも先延ばしにできるわけでもありません。彼はもう決定したがっているようです。だとするなら、ポワールさんにぜひやってほしいのが、彼への気持ちと、結婚への気持ちを、いまいちど自分に問い直してみることです。仕事を辞めての結婚に乗り気でないのか、彼との結婚に乗り気でないのか、それとも結婚そのものに乗り気でないのか。これらは似ているようでいてぜんぜん違います。この答えはポワールさんしか持っていません。なので、じっくりココアでも飲みながら考えてほしいです。

結論!

05ともに課題解決するか解散するかの2択

まとめます。

私自身、彼と結婚したいのかがわかりません・・・仕事を辞めてまで追いかけようという気持ちがありません。・・・このまま彼と付き合っていっていいのでしょうか。

やってみてほしいことは2つあります。

  • まずは「一緒に住む場合、彼とポワールさんどちらが仕事を辞めるか」を話し合うこと

現状ではポワールさんが辞める前提になっていますが、女性だからと言って辞めなければならない理由はありません。対等の条件として、2人で話し合ってみてください。

  • もう1つは、ポワールさんの彼への気持ちを、しっかり自分に問い直してみること

遠距離という問題にぶち当たったとき、「結婚していいのか」「付き合い続けていいのか」と悩むことは、そもそも彼への気持ちが結婚に至るまでのものではない可能性があります。なので、じっくり自分で考えてみてほしいです。

Check!結婚は「夫婦というチームで障害と困難に立ち向かって解決し続けるクエスト」のようなもの

この遠距離という課題を双方が納得いく形で解決できないなら、チーム解散も充分ありえます。それは仕方ないことです。自分がやりたくないことを無理して決定しても、今後やってくる課題で同じようにはできませんし、無理がたたります。サスティナブルな結婚をしたいなら、ぜひ今回の課題を納得できる形で解決するか、解散を検討してみてください。

andGIRL2020年3月号より イラスト/小迎裕美子

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