【COVER GIRL・出口夏希】「今を一番大事にできたら」W主演映画ロングインタビュー

ピュアなたたずまいの中に、確かな表現力が息づいている。モデル・俳優として活躍し、ひときわ注目を集める出口夏希さんがandGIRLのカバーに初登場。W主演を務めた最新映画についてインタビュー。

カバーガール・出口夏希さんスペシャルインタビュー♡

映画『か「」く「」し「」ご「」と「』では、クラスの人気者である三木直子・通称ミッキーを演じた出口夏希さん。明るくてまっすぐ、笑顔が印象的なこの役に、彼女はどう向き合ったのか。

出口夏希

住野先生からもらった言葉が演じる上での「道標」に

まず原作小説がとてもおもしろくて、台本でもそのおもしろさや設定は変わらないままだったこともあり、役に対して迷うことはなかったです。原作者の住野よる先生からは、『バカ可愛いミッキーを演じてください』とお手紙をいただき、その一言とともに現場に入って、ずっと頭に残しながら最後まで駆け抜けました。

〝とにかく笑顔でいよう〟って決めて。今までにも笑顔を絶やさないような役を何度も演じてきたけれど、ミッキーは内側に何かを抱えながらも表面上は笑顔を保とうとするコ。その笑顔の中にある感情のゆらぎを丁寧に出していくことを意識しました。ミッキーは私と似てるようで・・・似てないかもしれません。私はあんなにまっすぐじゃないし、言いたいこともつい飲み込んでしまうタイプだから。自分の中にしまい込んで、〝もういいや〟ってなってしまう。でも、それを見せずに振る舞うところは、ミッキーにも少し重なるかもしれません。

登場人物それぞれが抱える葛藤や誰にも言えない思いは、誰にとっても心当たりがあるものばかり

この作品から受け取ったものは、誰かの気持ちが目に見えたとしても、自分の気持ちは声に出して言葉にして伝えていく大切さでした。うまく伝えられなくても、伝えようとする努力はしていきたいなって。

同世代のキャストたちは、個性もキャリアもバラバラなのに自然と一緒にいられる居心地のよさがありました

出口夏希

常に一緒に行動するっていう感じでもなくて、それぞれが自分のペースで時間を過ごしていて、それでいて隣に座っていたり、自然と同じ空間に集まっているような。不思議だけど心地いい距離感でした。パラ役を演じた菊池日菜子ちゃんが描く絵がすごく可愛くて、撮影の合間に一緒に黒板に落書きをして遊んだり、学校を舞台にした作品なので、ちょっとした青春ごっこみたいな気持ちもありました。

全員が自分の〝空気〟を持っているけれど、一緒にいるとふわっとなじむ。無理せずに自然とひとつのチームになれるってすごく幸せなこと。またロケ地が新潟だったので、お寿司やカニ、ノドグロなど、その土地のおいしいごはんもしっかり楽しめました。

新しい作品に入るときは、今も緊張や不安で眠れない

出口夏希

だから寝不足で初日を迎えがちです（笑）。自分なりに準備をして、役に向き合っていても、自分がやっていることが合っているかどうかの確信はなかなか持てなくて。でも、今回の作品でいえば中川（駿）監督が自信満々に『OK！』『今のよかったよ』と言ってくださったことで、私も自分のお芝居に自信を持てたんです。『あ、これで合っていたんだ、大丈夫なんだ』と安心できた。

お芝居に向かっているときは、いつでも手探りで、不安もいっぱいありますし、どれが正解なんだろうって。正解がひとつじゃないからこそ、飽きっぽい私でもこのお仕事を続けられるのかもしれない。小さい頃から、夢を持ったことがなくて、やりたいことがなかったタイプなんです。でも、お芝居はやっている最中はしんどくても、それを帳消しにしてくれる楽しいなと思える特別な瞬間が訪れる。だから、本当にイヤになるまで続けていけたらいいですね。年齢にも縛られることなく、自分の気持ちのままに。夢や目標を持つことは素敵なことだけれど、私は持っていないからこそ自分が楽しいと感じられることにまっすぐ向かっていけるのかもしれない。〝今〟を濃く、一番大事にしたいなって思います。

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映画『か「」く「」し「」ご「」と「』

映画『か「」く「」し「」ご「」と「』