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業界実話怪談。背筋も凍る、本当にあった怖〜い話【霊感を呼び覚ます男の声編】 のメイン画像

違いはあれど、誰にでも霊感はある

霊感はほぼ誰にでもあるという話を聞いたことがある。ただ、人によって段階が違うらしい。初めて訪れる場所で「ちょっと気持ち悪いところだな」と思ったことはないだろうか?それも霊感の一部なんだそう。段階が上がると、明確に感じ取れる、見える、コミュニケーションが取れる、とステップアップするそうだ。

そのスタイリストさんは、子どもの頃からちょっとした違和感を感じることが多かった。幼少期には、初めて訪れる場所で、「この家は気持ち悪いから入りたくない」と言って両親を困らせたこともあるらしい。大人になり、大好きなアンティークを集めているときも、気に入って買ったものなのに、家の玄関の前になると、「これは家に入れてはいけないものだ」と思うことが何度もあったそう。でも、霊が見えたりすることはなかった。

その日は突然訪れた

スタイリストという仕事を始めてひとり暮らしをしていた頃、ずっと憧れていたインドへ旅へ出かけたそうだ。ガンジス川、マーケット、タージマハルなどを周り、とても満足する旅だった。そう、飛行機に乗るまでは。

復路の機内で、突然異変は起こった。知らない男の声が、知らない言語で話しかけてくるのが耳元で聞こえるようになったのだ。でも、後ろの席の人が話しかけてくるのではない。その声は、頭の中から聞こえてきた。それも、知らない言語のはずなのに、話しかけてくる言葉の意味はわかった。「人を殺せ・・・」

3日以上続く「人を殺せ」の声で発狂寸前に

その男の声は、飛行機に乗っている間中、頭の中に鳴り響いていた。耳を塞いでも、頭を振っても聞こえてくる。声のせいで8時間のフライト中、一睡もできなかった。それどころか、家に着いても声は止まらなかった。頭の中で「人を殺せ」という声が何十時間も聞こえると、人はどうなるだろうか。その人は発狂寸前になったそうだ。一睡もできず、さらに40℃近い高熱まで出てしまった。

頭から変な声が聞こえてくる。私、気が狂っちゃった

やっとの思いで母親に電話をしたところ、遠方から駆けつけてくれ、寝ずに看病してくれた。母親から看病を受けている間中も、あの男の声は途絶えることはなかった。40℃近い高熱は3日間続き、なんとか下がり、熱とともにあの男の声も消え去った。

普段通りの生活に戻ったと思ったが・・・

熱が下がり、声も聞こえなくなり、旅行前と同じようにスタイリストの仕事をし始めていた。そんな時、以前にはなかった自分の力に気づくことになる。

男女数人でドライブに出かけた夜、小腹を満たすために入った国道沿いのラーメン店で違和感を抱いたそうだ。夜中でそれほど人がいなかったこともあり、ラーメンを食べ終わってもおしゃべりをして過ごしていた。ふとカウンター席を見ると、男性が1人でずっと座っていた。ラーメンを食べるわけでもなく、お店の人と話すでもなく、ずっとうつむいて座っている。思い起こすと、お店に入った時から座っている気がする・・・。

「あの男の人、ずっといない?ラーメンも食べてないし何してるのかな?」とみんなに話を振ってみた。すると、「え、奥のカウンターになんて誰もいないけど!?」と返事が返ってきた。「何言ってるの!?あの白いTシャツの人だよ!」そのスタイリストさんが驚いていると、同じグループ内の男性が、「あの人が見えてるのは君と僕だけだよ」と、小さく言った。なんと、それまでスタイリストさんは知らなかったが、その男性には霊感があった。

霊感が目覚めたスタイリストさんとその男性には、カウンターに座る彼のことが手に取るようにわかった。見えるというより、読み取れるというのが正しいかもしれない。

その彼は、ラーメン店の近くに住んでいた浪人生だった。毎日朝から晩まで勉強づくめの日々の中、唯一の楽しみがこのラーメン店に深夜に来て、ラーメンを食べること。でもある日、お店に向かう途中、国道の横断歩道を渡っているときに、猛スピードで突っ込んで来た車に跳ねられて亡くなった。あまりにも突然のことだったので、彼の魂は自分の肉体がこの世にないことに気づいておらず、今でも毎日受験勉強をして、この店にラーメンを食べにくるルーティンを繰り返している・・・。

生と死が交わる国、インド

霊といわれるものが見えても、怖いという思いはなかった。それ以上に怖い体験を、インド旅行の帰りにしているからだ。ただ、自分が見えることを相手に気づかれないようにしているらしい。気づかれて寄って来られても、対処できないのがわかっているから。今は、インドへ行ったことを後悔しているそうだ。もし、人よりも霊能力が少し高いかもしれないと自覚している人は、生と死が交わるインドに行くことは控えた方がいいかもしれない。

文/水浦裕美

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