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後編/「味がしない!俺の舌は正確なんだぞ」毎週土曜に来ては嫌味を言い、ついに店長の私を呼びつけて満席の店内で20分も説教した自称グルメ客!口コミに書くと脅された翌週、私がテーブルに並べたのは・・・のメイン画像

「味がしない!俺の舌は正確なんだぞ」毎週土曜に来ては嫌味を言い、ついに店長の私を呼びつけて満席の店内で20分も説教した自称グルメ客!口コミに書くと脅された翌週、私がテーブルに並べたのは・・・

翌週の土曜日、腕を組む男性の前に並べた2つの白いカップ

落ちこむ私に、アルバイトの子が「あの人、本当に味がわかってるんですかね」とつぶやきました。ひと口も飲まずに塩とこしょうを山ほど振っていたという話を思い出し、私はその週のうちにある準備を整えました。そして翌週の土曜日、男性は予告どおり店にやってきました。席に着くなり「で、直ったのか?」と腕を組む男性に、私は「本日はお客さまの舌で確かめていただきたくて」と、白いカップを2つ並べました。

「片方は市販品です。本物がどちらか、当ててみていただけますか」と私が頼むと、男性は得意げに鼻を鳴らしました。まわりの常連さんたちも、何が始まるのかと食事の手を止めて見守っていました。男性は左右のカップを順にすすり、もったいぶって目を閉じたあと、迷わず右を指さしました。「こっちだ。深みがまるで違う。左が市販品だろう、味がしない」と言い切ると、男性はまわりに聞こえるように大きな声で笑いました。

粉末スープの袋を見せると、常連さんの笑い声が店内に響く

私はゆっくりと厨房から、空になった粉末スープの袋を持ってきました。そして「本物だとおっしゃったのは、お湯で溶かすだけの市販のスープでした」と、はっきり伝えました。実は左のカップこそ、半日かけて仕上げたいつものスープだったのです。店内は一瞬しんと静まり、次の瞬間、常連さんたちの笑い声があちこちから上がりました。さっきまで胸を張っていた男性の顔は、耳まで真っ赤に染まっていました。

男性は「こ、今日はたまたま調子が悪いんだ」と口ごもり、代金をテーブルに置いて逃げるように店を出ていきました。それ以来、土曜のランチタイムに男性の姿を見ることはありませんでした。ある常連さんは帰りぎわに「ここのスープは、俺たちの舌がよく知ってるよ」と笑ってくれました。父の味を信じてよかったと、私は胸をなで下ろしました。翌週からも厨房では、半日かけたスープの湯気がいつもどおり立ちのぼっていました。


いかがでしたか?大声の説教に折れず、お客さま自身の舌で答えを出してもらった主人公の機転が鮮やかでしたね。本物の味は、大きな声でごまかせるものではありません。お店の仲間や常連さんの声も、きっと支えになります。

原案/andGIRL編集部 ※andGIRLが25〜35歳の読者を対象に行った独自アンケートの実体験をもとに制作しています

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