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まるで「鉄腕ダッシュ」!?大ヒット映画『オデッセイ』のバラエティ感のメイン画像
andGIRL2月号より
放送作家・コラムニストの町山広美さんが女子力アップにつながる映画を紹介する『andGIRL』の人気連載「町山広美の『女子力アップ映画館』」。今回は、映画『オデッセイ』がヒットしている理由を教えてもらいました。
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『ザ!鉄腕!DASH!!』とか『いきなり!黄金伝説。』を火星でやってみたら?『オデッセイ』はひと言で言えば、そんな映画。宇宙飛行士モノに多かった哲学的な苦悩から離れての、まるでバラエティな発想が楽しい。さらには、池井戸潤原作ドラマのような、お仕事モノとしての「待ってました!」な展開がNASAを舞台に繰り広げられる。なるほど、大ヒットも納得です。
お話は、火星での猛烈な砂嵐から。有人探査計画アレス3のクルーとして上陸していた飛行士たちはさっそく撤収するが、マット・デイモン演じる主人公のマークが突風でケガを負い、行方不明になってしまう。捜索は断念、死亡と判断され、他の飛行士は宇宙船で地球への帰途に。
しかし、マークは生きていました。かろうじてハブ=居住施設にたどりつき、自分でケガを手術するも、状況は絶望的。だって、宇宙船は出発してしまった。次の有人探査計画アレス4の到着は4年後。
火星にひとりぼっち。食料は短期間の備蓄しかなく、通信手段もなし。
さあ、この過酷な条件でマークはどう生き延びるのか。生命なき地で、どう食料を調達するのか。
マークの大奮闘が始まります。まるで無人島生活企画みたいな設定ですが、火星の条件はより過酷。日記代わりに、カメラに報告する演出もとてもバラエティっぽい。アメリカ公開前にはTwitter上でこの動画の一部を公開して宣伝、それも大ヒットにつながった一因だとか。
マークの専門は植物学。おかげで、軍人や最先端の科学者が占めるクルーの中ではいじられ役だったけど、こういうときには役に立つ。限られた条件下で、イチから食料調達に挑戦。その「イチから」は酸素や水をつくるところからだから、ラーメンづくりを志して小麦から育てた『ザ!鉄腕!DASH!!』を超えています。そんなマークの悪戦苦闘の様子の楽しいことといったら!
andGIRL2月号より
※『andGIRL』2016年2月号

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