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業界実話怪談。背筋も凍る、本当にあった怖〜い話【らせん階段の男の子編】 のメイン画像

予備校の夏期講習に通っていた時のこと

これは、私が子供の頃の話。猛暑が続く8月の夏休み、高校受験を控えた私は予備校に通っていた。汗だくになりながら教室に向かい、ドアを開けるとホワイトの長机がずらりと並んでいる。友達と隣同士で座れるように、早めに行って席を確保するのが日課だった。コンビニで買った清涼飲料水を一気飲みしたら、エアコンの冷風に涼みながら必死に猛勉強。休み時間には友達と好きな男子の話をしたり、遊びの予定を立てるのが楽しみだった。

塾のらせん階段を下って飲み物を買いに行くことに

教室は7階にあって、自販機が設置されているのはこのビルの5階。夏は500mlのペットボトルじゃすぐに空になるから、休憩に入るとわざわざ階段を下りてドリンクを買いに行った。エレベーターを使うほどでもないのが一番の理由だったけど、ガラス張りの空間に渦を巻くように伸びるらせん状の階段が、私はひそかに好きだった。

あ、男の子がいる

窓ガラスには真っ青な空が広がって、眩しすぎる日差しがキラキラ輝いていた。今日もいい天気だなぁ。そんなふうに思いながらぼんやり景色を眺めていると、いつもと違うものが目に入ってきた。窓の前に、ぽつんと男の子が立っている。彼は私と目が合うと、満面の笑みで手を振ってくれた。もちろん私も、ニコッと微笑んで手を振り返した。なんだか感じのいい子だった。

一緒にいた友達は、見えていない・・・

その男の子に、隣にいた友達は知らんぷり。「なんで無視してんの?手、振りなよ」と促すと、「え、なにが?」と、キョトンとした顔で言われてしまった。私はそれ以上なにも言わず、彼からすっと目をそらしてそのまま階段を下り、何事もなかったかのようにドリンクを買った。そして階段を上る時は、窓に視線を向けるのをやめた。

先生、あの子のこと知ってる?

教室に戻って講義を聞いている最中も、ずっと気になって仕方なかった。不思議と怖い気持ちはなくて、帰り際にこの出来事を先生に伝えてみた。すると先生が、そっと教えてくれた。「一週間前にね、あのらせん階段から男の子が落ちて亡くなったの・・・」
取材・文/飯田有希菜

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