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タレント・ゆうたろうの怖い話〝幽体離脱編〟。自分の体を抜け出して行った先とは?のメイン画像

Check!鐘の音が高く鳴り響くと、足元からスーッと浮き始めたんだ

人生で1度だけ、幽体離脱をした経験があるんだけど、今回はその話をするね。それは、忘れもしない15歳のとき。子どものころからしょっちゅう金縛りにあっていた僕。だからその日も、金縛りが起きても大して気にもとめていなかったんだ。ただ、その日の金縛りは、いつもとちょっと違った。

まず体にズンズンズン・・・という振動がきて、足元の方からその振動がガンガンガン、そのうちズワンズワンと大きくなっていった。それが数日間繰り返されたんだ。

 ある日、段階が1つ上がったと感じた。体の振動とともに、除夜の鐘をつくシーンでよく見られるような、お寺の鐘の中に入れられて、鐘をつかれているんじゃないかっていうぐらい体中にどくんどくんと響く耳鳴りが始まった。さすがに怖くなった僕は、やばいと感じた時に唱えるようにと子どものころから教えられてきたお経を、その耳鳴りが続くたびに何日にもわたって唱え続けた。

 それが続いた数日後のある日、鐘の音がすごく高く鳴り響いて、その瞬間に体がふわーっと浮いているような感覚になったんだ・・・。
いや、これはダメだよ。幽体離脱だ・・・。

すぐにわかった。初めての経験とはいえ、昔からの愛読書『ムー』でそんな知識はすっかり身についていたから。金縛りにあっていても目は動くもんだから足元の方を見たら、両足がすーっと浮いてるんだよね。まるで脱皮をするように。

それで恐怖から、心の中でひたすらお経を唱え続けた。そうしたら突然、真っ白い世界になったんだ。すると七福神の福禄寿のような頭の長い、人?神様?よくわからないけど、その人を先頭に、何十人もが真っ白な世界に差した光の向こうから迫ってきて、僕に説教を始めた。「お前の生活はだらしなさすぎる、いい加減にしなさい」と。

というのも、当時の僕はやんちゃをしていて、夜中じゅう遊びまわる生活をしていたんだよね。つまり、反抗期だったわけ。親や周りからいくら注意されても聞き入れなかったけれど、反抗期を初めて悔い改めるぐらいの衝撃で、「わかりました」とその時は素直に聞き入れたんだ。

Check!一瞬で体が抜けたあと、気づいたら知らないお墓にいた・・・

それでも、夜遊びは続けてしまった。それがまずかった。またいつものように、金縛りに遭い耳鳴りが始まった。そして足がすーっと抜け始めたんだ。慌ててお経を唱えて、それでいつものように終わると思いきや、ズボン!とまるでフリーフォールから落ちるように一瞬で体が全て抜けていて、家の屋根よりももっと高いところにいた。

やばい、やっちゃった!!と思った次の瞬間、僕は知らないお墓の前にいた。そして、苔がむしているその古そうな墓を、素手で掃除させられたんだ。そのときの感情は、無に近かったと思う。翌朝に起きると、僕の手には苔や土の汚れがついていた・・・。

そんな不思議な体験から2ヶ月後、母親に同伴して戦争で亡くなった親族のお墓参りに行くことに。実家から車で20分ぐらいのところにそのお墓はあったんだけど、樹木がのしかかっているような、ものすごく立派で、古いお墓。それは、いろいろ事情があるんだけど、本家のものだった。そう、僕があの日に幽体離脱をして掃除したお墓だった。なるほど・・・と、それで答え合わせができたんだよね。

 あの頭の長い人を先頭にした集団は、きっと僕のご先祖様だったんだ。その後、金縛りはたまにあるものの、あの振動や耳鳴りはすっかりなくなったんだ・・・。

Profile

ゆうたろう
1970年2月21日生まれ、千葉県成田市出身。昭和の大スター、石原裕次郎のモノマネをする唯一の芸人として知られ、石原プロからも公認されている。大きなブランデーグラスがトレードマーク。歌唱力も抜群で、見た目だけではなく歌う姿や声もそっくりなことから、石原裕次郎を知る世代から、若者まで幅広い層に人気。
撮影/アベユキヘ 取材・文/若山あや

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